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親の介護と自分の家族、どちらが大切?

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ある日突然訪れるのが、親の介護問題。親も大切だけど、自分の家族も大切…。どちらを優先するべきか悩んでしまいますよね。どちらに対してもがんばりすぎて体や心を壊してしまう前に、介護と家庭について見直してみましょう。

生活の優先順位はどうすべき?

自分に家庭がある状況で親の介護が必要になったら、生活スタイルがどうなるのか不安に思う人は多いでしょう。ある調査では、親の介護が必要になった際に心配なこととして、女性のうち64%が「自分の生活を変えなければならないこと」を挙げています。

毎日の時間や体力が限られているなかで、親の介護と自分の家庭、どちらを優先するべきか…。介護・子育て・仕事のどれを最優先したいかを調べたアンケートによると、女性で最も多かった回答は「すべてをバランスよく生活したい(43.4%)」。優先順位をつけるとしたら、優先度の高い順に「子育て(19.4%)」「仕事(8.7%)」「介護(2.5%)」という結果が出ています。両立を理想としながらも、現実的に介護は優先順が後回しになってしまうという人も多いのかもしれません。

ただ、その優先順位を決めるのは、あくまで家庭の状況や関係性次第。家族どうしでそれぞれの意思を充分話し合うことが重要です。

家族の理解を得るには

自分の家庭と親の介護を両立させるには、介護に対する家族の理解が不可欠。そのためには、こういったことを大切にしてみましょう。

 

◆自分だけで決めようとしない
「自分の親の介護は自分の問題」と責任を感じるあまり、自分が主導する立場で介護に関する物事を決めていく人も多いですが、これは「介護の当事者は自分、家族は第三者」という構図を生んでしまう場合もあります。
家族の関係を良好に保つには、介護は家族共通の問題と考え、どんなことでも相談し合い、頼り、素直な意見をかわしあうようにしましょう。

 

◆感謝の言葉を忘れない
同居での介護はもちろん、施設介護など別居での介護であっても、家族に協力してもらう場面は多いでしょう。その際には「ありがとう」「助かったよ」「おばあちゃん喜んでたよ」といった言葉を忘れないようにしましょう。介護は感謝の見返りを求めてするものでもありませんが、肉体的にも精神的にも大変なことの多い介護の場面で、家族の感謝の言葉に救われたという人はとても多いのです。

家庭と介護を両立するために

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自分の家庭を維持しながら介護を続けていくには、さまざまな面での負担を減らすことも必要でしょう。このようなことも参考にしてみてください。

 

◆専門家に相談を
自分の家族と親の介護の板ばさみで悩んだときには、介護の専門家に相談するのもおすすめです。地域の包括支援センターや、保健所や福祉相談課などで専門家が相談を受け付けている場合もあります。話を聞いてくれるだけでなく、どんな公的サービスが利用できるかなど具体的なアドバイスをしてくれることも。自分の状況を客観的に見る手助けにもなるでしょう。

 

◆支援サービスを利用して
家庭をもつ人にとって、介護施設やホームヘルパー、デイサービス、介護ボランティアなどの介護支援サービスは強い味方。要介護者ご本人や家族と相談のうえ、在宅介護にこだわらずプロに応援を頼むのもひとつの方法です。介護が必要になったらまず、地域の介護保険窓口などでケアマネージャーに相談を。介護認定の手続きを行い、どんな支援が受けられるかを確認しましょう。

 

◆遠距離介護という選択も
親が遠方に暮らしている場合などは「遠距離介護」という選択肢もあります。実際に、内閣府の調査では、自分が介護を受けたい場所として、60歳以上のうち最も多い約41.9%が「現在の住まいで介護を受けたい」と答えています。普段はかかりつけの医師やホームヘルパーなどと連携をとり、自分は週末などに親の元へ出かけたり、自治体によっては安否確認サービスや食事の宅配サービスを行っているところもあるので、それらを利用することも視野に入れてみましょう。

まとめ

家族の年齢や状況によって選ぶ形はさまざまですが、介護を通じて家族の絆が深まるということもあります。自分の大切な家族と協力しながら、無理なく介護を続けられる形を探してみてくださいね。

 

参考
株式会社電通「高齢の親を持つ子ども(45~64才)の親の高齢化・介護に関する意識調査」
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2009075-1109.pdf

ソニー生命保険株式会社ほか「ダブルケアに関する調査 2017」
http://www.sonylife.co.jp/company/news/28/files/170317_newsletter.pdf

内閣府「介護保険制度に関する世論調査」
http://survey.gov-online.go.jp/h22/h22-kaigohoken/2-2.html