看護師の仕事を続けていくなかで、結婚や独立、また家族との同居などをきっかけに、改めて住まい選びに悩んでいる人もいるかと思います。購入するなら戸建てとマンション、どちらがいいのか、それとも賃貸のほうがいいのか…。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
住宅の購入…世間はどう考えてる?
内閣府が平成27年に行った調査では、住宅を「所有したい」と回答した人は全体の74.9%、「所有する必要はない」と回答した人は16.5%でした。
「所有したい」人が圧倒的に多く見えますが、実は平成16年の調査では「所有する必要はない」人は12.1%だったので、この11年で住宅の購入意欲のない人の割合が増えていることがわかります。
その理由としては、「家族の状況にあわせて自由に住み替えたい」「所有しても資産価値に期待できない」「固定資産税・相続税などの支払いが重い」と答える人が増えており、住宅に対する意識も少しずつ変わってきていることが伺えます。
戸建て・マンション・賃貸…それぞれのメリットは?
購入するなら戸建てとマンションどちらが良いのか、はたまた賃貸のほうが良いのか…。選ぶ基準は、住む人が何を優先するかによって異なります。
それでは、看護師にとってはそれぞれ、どんなメリット、デメリットが考えられるでしょうか?
■戸建てのメリット
・資産価値が見込める
建物が劣化しても土地の価値が残る戸建ては、マンションより資産価値が高くなると考えられます。比較的高収入で安定した仕事と見なされる看護職は、ローンを組むのに有利という声もあるようです。
・生活音を気にしないで済む
住宅の密集地でなければ、マンションほど生活音を気にしないで済むのが戸建ての良いところ。夜中に家事をすることも多い看護師にとっては、これもメリットのひとつ。
・自由にリフォームできる
夜勤もあり睡眠時間が不規則な看護師にとって、防音対策やリフォームを自由に行えるのは戸建ての魅力です。
■戸建てのデメリット
・防犯面・維持管理面で手間がかかる
マンションでは維持管理面を任せられる一方、戸建てでは自分で管理が必要となり、忙しい看護師にとっては負担になることも。
・容易に転居できない
転職やご近所トラブルなどの事態が起きたら悩むことになるかも…。
・マンションよりも購入価格が高い
初期費用に加え、高額のローンを抱えたくない人にとってはこれがデメリットに。
◆マンションのメリット
・セキュリティ、維持管理が安心
夜勤帰りも多い看護師にとって、住宅のセキュリティは重要。マンションは防犯性が優れている物件が多く、看護師にとっては大きなメリットに。
・設備面に優れ、維持管理もラク
マンションには24時間OKのごみ収集所や宅配ボックスなど、多忙な看護師にはうれしい設備があることも多く、維持管理や一部の清掃なども管理会社に任せられます。
◆マンションのデメリット
・リフォームが自由にできない
防音設備を自由に作れなかったり、老後のリフォームなどがしにくいことは頭に入れておきたいです。
・管理費・駐車場代がかかる
戸建てと迷っている人は、これも含めてトータルの経費を比べる必要があります。
・資産価値は戸建てより低い
土地代を含まないことを考えると、将来の資産価値は戸建てより低くなります。
▼賃貸のメリット
・状況にあわせて自由に住み替えられる
看護職のステップアップや転職など、働き方の変化にあわせて引っ越しをしたいときや、住まいや環境に不満が生じたときにも身軽に転居できるのが最大の魅力です。
・維持管理がラク
劣化による修繕などは大家や管理会社に負担してもらえるのが、多忙な看護師にとってはメリットになります。
・初期費用や税支出を抑えられる
初期費用は当然賃貸のほうが安く、固定資産税も家賃や管理費に含まれるため、他のことにお金を使いたい看護師にはおすすめ。
▼賃貸のデメリット
・資産が残らない
家賃、管理費、更新料を払い続けても手元の資産としては残りません。老後もこれらを払い続けることが心配な人もいるでしょう。
・設備が分譲マンションと比べ劣る
賃貸物件は分譲物件と比べ、防音性に劣るなど設備が劣ることも多く、夜勤の多い看護師にとっては住みにくい場合もありそうです。
いかがでしたか? 看護師として働く毎日の拠点になる場所だからこそ、それぞれのメリット・デメリットをよく検討したうえで住まいを決めたいものですね。
参考:内閣府政府広報室「住生活に関する世論調査」の概要
http://survey.gov-online.go.jp/h27/h27-juuseikatsu/gairyaku.pdf