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106万円の年収の壁の対策として、従業員101人以上の企業だけが最大50万円支給される助成金申請が開始!その理由とは?

「106万円の壁」とは、配偶者控除の適用対象となるための年収上限を意味します。この壁を超えると、配偶者の年収が一定額を超えるために、税金や社会保険料の負担が増加し、手取り額が減少し、配偶者は労働時間を意識して働くため、労働人口の減少による人手不足が問題となります。

従業員が101人以上(ここでは大企業と呼称する)の企業が従業員の手取り額の減少対策に取り組むことで最大50万円の助成金を受けられるように2023年10月20日から申請が開始されました。

この助成金支援措置は106万円の壁を超えると発生する経済的負担の軽減、労働意欲の向上、働きやすさなど職場環境の改善が見込まれ、従業員の生活が向上し、労働市場全体の活性化を目的としているようです。
したがって、大企業の従業員の手取り額の減少を防ぐことで消費活動の促進にもつながり経済全体が安定と成長に貢献できる政策と考えているのではないでしょうか。

従業員の手取り額の減少対策に取り組む大企業に対して助成金申請ができる制度は、従業員だけでなく社会全体にとってもメリットがある一方で、従業員100人以下の企業は助成金が申請できません。

その理由として考えられることは
①政府の予算に限度がある。
②予算の制約や政策の効果の最大化を目指している。
③助成金を最も効果的に活用できる企業に限定して支給することで、政策の目的をより効率的に達成する。
以上、このように推測します。

でも、これには隠された裏事情があるようにも思われます。
私が思うに、現在、エッセンシャルワーカーを中心とした人手不足と国際情勢の不安定化やパンデミックに起因するサプライチェーンの不安定化が問題になっています。
これによりコストが上昇し、安定的なモノの調達に影響がでて、国民生活は物価高に苦しめられています。

サプライチェーンを安定化させ、安定的供給を持続的に実現するためには、大企業の国内回帰を促進させる必要性が迫っていると考えます。しかし、大企業が国内回帰しても国内の人手不足により、その実現は厳しいと思われます。
そこで政府は従業員101人以上の企業を対象とした助成金措置を行い、従業員100人以下の企業より労働者の確保において優位性を保たせ大企業に人材を集約させる目的があると考えます。
将来的には中小・零細企業の人材確保がますます厳しくなり、国際競争の激化により、大企業以外は淘汰されてしまうのではないかと危惧します。

(注) 従業員が101人以上の企業とは、短時間労働者を除き、1年のうち6か月以上、厚生年金の適用対象なる事業所の従業員の総数が101人以上なることが見込まれる企業を指します。

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