子育て

待機児童の救世主?「チャイルドマインダー」

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家庭保育のプロ、「チャイルドマインダー」という職業をご存じですか? どんな仕事なのか、詳しく見てみましょう。

チャイルドマインダーは新しい保育の形

子どもを保育園に入れる申請をしているのに、なかなか入所できない…。そんな待機児童問題はまだまだ解消されず、いわゆる「保活」に悩むママは後を絶ちません。

そんな中、新しい保育の形として注目されている職業があります。それが「チャイルドマインダー」。

チャイルドマインダーは、イギリス発祥の保育のスペシャリスト。保育士とは違い、自宅や希望者の家庭で、少人数制の家庭的保育を行えるのが特徴です。
保育施設や保育士の不足が問題とされている近年、待機児童の救世主として脚光を浴びつつあります。

保育士との違いは?

チャイルドマインダーは、イギリスで100年以上前に生まれた歴史ある職業です。イギリスでは、家庭外保育を必要とする家庭の約71%がチャイルドマインダーを利用しているとされています。

日本でも、家庭的で質の高い保育を受けられることや、時間外の保育などにも柔軟に対応できることなどから、保育の選択肢のひとつとして注目されています。

同じ保育の仕事でも、保育士とチャイルドマインダーの働き方には次のような違いがあります。

●保育可能な人数
保育士は集団保育を行うのに対し、チャイルドマインダーは個別保育を行うのが特徴。例えば4,5歳児に対してなら、保育士は一人で30人程をみることができますが、チャイルドマインダーがみられるのは概ね3人までと定められています。つまり、少人数制できめ細かく、子どもとより深く関わることができるのです。

●資格の形
保育士として働くには国家資格が必要ですが、チャイルドマインダーは民間資格で働けます。日本ではまだ知名度の低い職業ですが、発祥地であるイギリスでは、チャイルドマインダーは「国家職業基準資格」として国に認められています。

●働く場所
保育士は保育園などの施設で保育を行うのに対し、チャイルドマインダーは自分の自宅や、希望者の自宅で家庭的な保育をすることができます。自宅を保育所として開業し、複数の子どもを受け入れているチャイルドマインダーもいます。また、保育園や、企業・病院等の託児所で働くケースもあります。
自宅でも施設でも、ライフスタイルに合わせて柔軟に働けるのもチャイルドマインダーの特徴のひとつです。

チャイルドマインダーとして働くには?

チャイルドマインダーになるには、民間資格の取得が必要となります。日本では複数の民間団体が養成講座を開き、資格試験を実施しています。
民間団体によっては、チャイルドマインダーのネットワークに登録でき、保育を必要とする家庭とマッチングをしてくれるところもあります。

資格の取得後は、自宅で開業する人、副業として働く人などさまざまです。
自宅で開業する場合は、個人事業主として地方自治体に相談のうえ、地域により必要条件があればそれを満たして開業する必要があります。

そのほか、パートや派遣の形で保育園に就職したり、24時間型の保育所で夜勤を行ったり、住宅展示場などのイベント会場の託児ルームで単発的にアルバイトやパートとして働く方法もあります。

チャイルドマインダーの将来性

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保育所や保育士が不足していることに加え、時間外や突発的な保育の需要も高まっていることから、チャイルドマインダーは今後活躍の場が増えていくと予想されます。

近年は保育所でも、子ども一人ひとりに丁寧に向き合うチャイルドマインダーの方針を掲げる施設も増えつつあります。そうした施設の求人ではチャイルドマインダーの資格保有者が優遇されることもあるようです。
また、一時的な託児所などの求人では、幼稚園教諭と並ぶ形でチャイルドマインダーの資格が歓迎されていることもあります。

子どもが好きな人、子育て経験を生かしたい人、経験がなくても家庭的保育に興味のある人は、ぜひチャイルドマインダーを目指してみてはいかがでしょうか。

★参考
「NPO法人 日本チャイルドマインダー協会」

http://www.kateihoiku.org/childminder/index.html

※2023/1/26現在 リンク切れ