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訪問介護と施設での介護、外国人スタッフはどちらを好む?

最近増加している外国人の介護スタッフ。施設での介護や在宅介護など、介護職の種類もさまざまですが、外国人スタッフはどんなスタイルの仕事を好むのでしょうか?

外国人が日本で働く理由は?

近年、さまざまな業界で外国人スタッフの活躍を目にするようになりました。

もともと日本に住んでいた人もいますが、日本で働きたい! と志して来日する外国人が多数。彼らが日本で働こうと思う理由には、以下のようなことがあります。

●給与を稼ぎたい

自国より給与の水準が高いことや、自国では働き口が少ないことを理由に来日する人も多くいます。

●日本で文化を知り、日本で生活したい

食事や芸能、アニメなど独自の文化を持つ日本が好きで、日本で生活するために働くという人もいます。

●日本の語学を学びたい、語学を生かしたい

留学経験や日本語を学んだ経験があり、その延長線で、
日本で働く人も多いようです。

●日本のビジネス・技術・資格を学びたい

日本で学べる専門技術や資格、日本のビジネスモデルを身につけ、自国でそれを生かすために働く人も多数います。

介護業界も外国人スタッフが増加

さまざまな業界で外国人が増えつつありますが、なかでも介護職は多くの外国人スタッフが活躍しています。

日本政府は、平成20年度に EPA(経済連携協定)による東南アジアからの介護福祉士候補の受け入れを始めました。

その受け入れ人数は年々増加し、平成30年度までに累計4,302人を受け入れ、808箇所の施設で雇用がされてきました。

日本で働く外国人スタッフの中には、
「世界で最も高齢化の進む日本で介護を学びたい」
「日本の先進的な介護を学んで、自国で高齢者の役に立ちたい」

という目的を持つ人も多く活躍しています。

外国でも介護問題は深刻

実は日本と同様、外国においてもさまざまな国で少子高齢化現象が起きています。

65歳以上の人口が総人口の7%を越えると高齢化社会と言われますが、
例えば中国では60歳以上の人口は総人口の17.9%(2018年末)、
韓国では65歳以上の人口は総人口の14.2%(2017年)、
シンガポールでは65歳以上の人口は総人口の12.4%(2016年)となっています。

5年後、10年後には各国でさらに高齢化が進み、介護問題も深刻になっていくと見られます。
そんな中、日本で介護の仕事を学ぶために来日する外国人が多数いるというわけです。

外国人スタッフは訪問介護を好む?

ところで、日本での介護の仕事には、介護施設でのヘルパーとしての仕事と、利用者の自宅での訪問介護(ホームヘルパー)の仕事があります。

施設での仕事は、他のスタッフとチームで共同作業をします。
それは上司や先輩から指示を受けながら入所者の介護を行う仕事です。

それに対して訪問介護の仕事は、基本的にはスタッフが一人で利用者の自宅に出向いて介護を行います。

このうち外国人スタッフには、施設での仕事より訪問介護の仕事の方が好まれるのでは? という見方があります。
それはなぜでしょうか。

<理由①> 働き方の習慣の違い

一概に「外国人は…」と言うことはできませんが、日本の仕事の進め方に戸惑う外国人も中にはいるようです。

例えば、日本では「ほうれんそう」を重視するように、チームや上司との密接な連携が大切にされます。
しかし外国では、国によって例えば上司は部下に仕事をふったら、あとは全て部下の判断に任せ口出しはしない…という風潮がある場合も。

そのような類の習慣のズレから、施設での共同作業になじみにくく、一人で行う訪問介護の方が働きやすいと考える外国人もいるかもしれません。

<理由②> 人間関係の悩み

施設での仕事はさまざまな日本人スタッフと一緒に働くことになるため、人間関係に悩む外国人もいます。

外国人に偏見をもつ日本人スタッフから嫌な指示をされ、
ただでさえ慣れない日本語を使う中、「あうんの呼吸」や「空気を読む」ことを要求されがちな日本独特の職場になじめない人もいるようです。

そうした理由から、「一人で働ける訪問介護のほうが自分には向いている」と言う外国人もいるのです。

<理由③> 日本の文化や生活様式を知りたい

初めに述べたように、外国人の中には日本の文化に興味を持って働く人もいます。
そのような人にとっては、施設よりは利用者の自宅に直接出向く訪問介護のほうが、より身近に日本の生活様式を学べる機会になるでしょう。

今後は日本でも訪問介護に注力

将来的には日本でも、国の医療費を抑えるという観点や、自宅での生活を希望する高齢者が多いことから、在宅医療や訪問介護が重視されていくと思われます。

訪問介護の人手不足も問題となっていますが、外国人スタッフがその一助となるためには、日本語の習得や職場への定着など課題も残されています。

訪問介護を通じて、高齢になっても安心して暮らせる環境を、外国人スタッフとも一丸となって築いていけると良いですね。

<参考>
★外国人介護職員と一緒に働いてみませんか?(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000496822.pdf

★学ぶ、日本の先進技能 「いつか母国で生かす」(神奈川新聞)
https://www.kanaloco.jp/article/entry-39544.html

★中国の高齢者人口、19年間で1億1800万人増加 (CNS)
https://www.afpbb.com/articles/-/3221635?cx_amp=all&act=all

★韓国の生産年齢人口、昨年初めて減少に…高齢者14%で「高齢社会」突入(中央日報)
https://s.japanese.joins.com/article/464/244464.html

★シンガポール 高齢者市場に参入するには(ジェトロ)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/074dabddae481115/20160141.pdf

キーワード:訪問介護、介護、外国人、スタッフ、日本、生活、文化、介護問題、働き方の習慣、人間関係、生活様式

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