転職を考える看護師さんの中には、看護師を育てる「看護教員」に興味をもつ人も多いでしょう。看護教員とはどんな仕事か、どうすればなれるのか見ていきましょう。
看護教員の仕事とは?
看護教員は、看護師を養成する大学や短大、専門学校などの教員のことで、将来の看護師を育てる職業です。
看護師としての経験を積む中で、後輩の育成などを通じて看護師を育てることに関心がわき、看護教員へ転職する人も少なくないようです。看護系の教育機関は年々増加しているとされており、看護教員の需要も高まっていると言えそうです。
看護教員になるにはどうすればいい?
看護教員になるには、看護師または保健師、助産師として、5年以上の業務に従事したことが条件となります(求人によっては「3年以上」とされる場合も)。そのうえで、看護教員として働くにはおもに以下の3つの方法があります。
1.大学・短大の看護教員になる
2.看護専門学校の専任教員になる
3.高校の看護科の看護教員になる
それでは一つずつ見てみましょう。
1.大学・短大の看護教員になるには
大学・短大の看護教員になるために必要な資格はありませんが、大学の場合は大学院卒で「博士」の学位を持っている人が多数派のようです。教員の応募要件は学校によりさまざまですが、上記が要件に挙げられていることもよくあります。大学に就職する場合は、教育だけでなく研究のサポートを行うこともあります。
大学・短大の看護教員になるには、学校の教員求人に応募することになります。求人情報は、「JREC‐IN Portal」という国立研究開発法人 科学技術振興機構が運営する人材データベースや、看護師求人サイトなどに掲載されていますので、こまめにチェックしてみるとよいでしょう。また、教授や研究室などの人脈をたどって採用に至るケースもあるようです。
2.看護専門学校の専任教員になるには
看護専門学校の教員になるには、「看護師養成所専任教員資格」を取得する必要があります。この資格は通信制大学の看護教員養成コースで取得できるので、先に看護専門学校に就職してから、働きながら資格を取得する人が多いようです。まずは就職したい専門学校に、資格取得に関して問い合わせてみるとよいでしょう。
看護専門学校の求人については、直接学校のHPで募集しているか、ハローワークや自治体のサイトなどに掲載されています。なお、専門学校の場合は学校側から卒業生などに声がかかる場合が多いようなので、自らの人脈を駆使して求人を探すことも大切でしょう。
3.高校の看護科の看護教員になるには
高校の看護科の教員になるには、高等学校教諭(看護)の免許が必要となります。この免許は通信制では取得できないため、文部科学省の指定する大学に通学することが必要となります。この免許を取得できる大学は数少なく狭き門ですが、高校の看護教員をめざして大学に通学し直し、晴れて免許を取得する看護師さんもいます。
免許を取得したら、各自治体の教員採用試験に合格する必要があります。高校の看護教員の募集は公募がほとんどで、ハローワークや看護協会が運営するナースバンクで探すこともできます。
看護教員のやりがいとは?
看護教員になるルートは決して簡単なものではありませんが、看護の魅力を多くの若い人たちに伝え、将来の看護業界のクオリティの向上に貢献できることが看護教員の仕事のやりがいでしょう。自分の経験を生かして、生徒の成長を間近で見られることは大きな喜びとなるようです。キャリアを生かしたいと考えている看護師さんは、看護教員へのステップアップを考えてみるのも一つの道かもしれません。
<参考>
●厚生労働省・看護教員に関する規定
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0514-5f.pdf
●文部科学省・高等学校教員(看護)の免許資格を取得できる大学
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/detail/1287077.htm
●東京都福祉保健局・看護教員
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/saiyou/service7.html