少子高齢化が進む日本において、介護職のニーズはますます高まっています。そんななか、介護の仕事に就きたい、あるいは転職したいと考える人も増えています。そこで、代表的な介護の資格について紹介します。
介護職員初任者研修
「介護職員初任者研修」(旧「ホームヘルパー2級」)は介護に携わるために必要な基礎を学ぶファーストステップ。各地方自治体が指定した養成機関が主催する講座を受講し、全課程を終了して筆記試験に合格すると資格を取得できます。食事や着替え、入浴の介助など利用者に様々なサポートを行うための基本的な知識と技術を身につけます。受講するために必要な資格や経験はないので、未経験や無資格でも受けることができます。
介護福祉士実務者研修
「介護福祉士実務者研修」は、「介護職員初任者研修」よりも講義や演習の内容が幅広く専門的になっており、より実践的な知識と技術を習得するためのもの。介護業務だけではなく、医療的ケアの知識も学びます。「介護職員初任者研修」と同様、受講に必要な資格はありません。また、介護福祉士実務者研修を修了すると国家資格の介護福祉士を受験することができます。介護福祉士を目指すのなら、早めに取得しておくといいでしょう。
介護福祉士
介護福祉士は、社会福祉士・精神保健福祉士と並ぶ「福祉の三大国家資格」といわれており、介護業界では唯一の国家資格となります。
介護の現場で介護福祉士は、通常の介護業務だけではなく、介護サービス利用者やその家族からの相談に対応したり、現場のリーダー的存在となり、他の介護スタッフに指導やアドバイスを行ったり、マネジメントを行う管理者としての業務にも携わります。
介護福祉士の資格を持っていることで、待遇面もアップし、仕事の幅も広がるので、介護の仕事でスキルアップ、キャリアアップを目指したい人はぜひ取得したい資格です。
資格取得方法には2つの方法があります。
1つめは、専門学校や短大・大学など指定された学校、または養成施設を卒業し、介護福祉士資格を登録すること。登録の有効期限は卒業後5年間で、正式な資格登録のためには卒業後5年間の実務経験を積むか、筆記試験に合格する必要があります。
2つめは、介護福祉国家試験に合格すること。受験資格は「介護業務に3年以上従事していて、介護職員実務研修の受講が修了している」または、「福祉系高校にて定められた科目・単位を習得し卒業すること」のいずれかです。
資格がないと介護の仕事はできない?
介護の資格を取って介護の仕事に就きたいと思っているものの、実際に介護業界で働き続けていけるか不安に思う人も多いでしょう。実は介護の資格がなくても介護の現場で働くことができます。もちろん、有資格者に比べると仕事内容は制限されてしまいます。例えば、資格取得者の場合、排泄、食事、入浴などを含むすべての介護業務に携われますが、無資格者の場合は、衣服の整理、掃除、歩行の介助など初歩的な部分にしか携われませんし、待遇も有資格者より低くなってしまいます。
資格を取得してから働く方法もありますが、まずは無資格で働くというのもひとつの方法です。実際に経験を積んでからのほうが理解も早いということもあります。
もし、無資格で介護業界に飛び込むのが不安なら、まずは「介護職員初任者研修」を受講するといいでしょう。
★参考
・介護福祉士国家試験
http://www.sssc.or.jp/kaigo/