看護師としてのキャリアアップを考えた際に、強い武器となるのが資格。なかでも、看護師さんに近年人気なのは「認定看護師」の資格です。認定看護師とはどんな資格か、どんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
認定看護師ってどんな資格?
認定看護師とは、日本看護協会が制定した、「特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有すること」を認める資格です。つまり、看護師であるだけでなく、ある看護分野におけるエキスパートであることを示す資格なのです。
「特定の分野」は現在、下記の21分野が設定されています。
・救急看護 ・皮膚・排泄ケア ・集中ケア
・緩和ケア ・がん化学療法看護 ・がん性疼痛看護
・訪問看護 ・感染管理 ・糖尿病看護
・不妊症看護 ・新生児集中ケア ・透析看護
・手術看護 ・乳がん看護 ・摂食・嚥下障害看護
・小児救急看護 ・認知症看護 ・脳卒中リハビリテーション看護
・がん放射線療法看護 ・慢性呼吸器疾患看護 ・慢性心不全看護
認定看護師の資格を取得するメリットは?
各分野のエキスパートである認定看護師は、水準の高い看護を求める現場で年々必要性が高まってきており、2019年7月時点で20,960人が資格を取得しています(※1)。認定看護師資格を取得すると、次のようなメリットが考えられます。
・職場での昇進に役立つ
日本看護協会の調査では、認定看護師資格の取得後、主任や副師長などへステップアップしたり、認定看護師として独立したポジションにつく人が増える傾向にあることがわかっています(※2)。また、一部病院によっては、昇給や資格手当が支給されることもあるようです。
・活躍の場が広がり、やりがいが増す
資格の取得後は特定の病棟にとらわれず、専門家として病院全体で活動したり、病院外で講演や講師などを務めて活躍する人も多いようです。また、プロフェッショナルの知識を持つ立場として人脈が増えたり、医師とも対等に議論できたりするようになったという声もあります。
(※1) https://nintei.nurse.or.jp/nursing/wp-content/uploads/2020/09/leaflet_CN2020_1.pdf
(※2) http://nintei.nurse.or.jp/nursing/wp-content/uploads/2012/09/cn-bunya.pdf
認定看護師の資格をとるには
それでは、実際に認定看護師の資格をとるにはどうすればよいのでしょう?
資格の取得には以下の条件が必要となります。
①日本の看護師免許を保有している
②免許取得後、実務経験が通算5年以上あること
(そのうち3年以上は、特定分野での実務)
③認定看護師の教育機関で6か月以上学ぶこと
④認定看護師の審査に合格すること
つまり、看護師として5年以上働き、かつ半年は専門機関で勉強をしたうえで試験を受け、晴れて認定看護師となるのです。授業は基本的に、大学の教育センターなどで平日昼間に行われるため、多くの人は職場に申請のうえ、休職や出張、研修扱いで通学に専念します。
病院によっては認定看護師の支援制度を設け、学費の支給などを行っていることもあります。また、日本看護協会では奨学金の貸与制度も設けています。
資格をとるか迷ったときのポイントは
そんな認定看護師の資格、興味は出たけれど「通学のために休職すると、同僚に迷惑をかけるのでは…」「お金と時間がかかりそう」と迷う方もいるでしょう。しかし、特定分野の専門家として自信をもって日々働きたい方には、認定看護師はおすすめの資格。資格取得をきっかけに、職場の看護の質の向上に貢献できたり、働き方を変え人生の転機になったという人もいます。
興味のある方は、ぜひ選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
参考:公益社団法人 日本看護協会
http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn