一度、会社などに勤めた後で「子どもに関わる仕事がしたい」と保育士を目指す社会人や、育児を通して子どもと関わることの楽しさや重要性を実感して「子どもたちや働くママたちをサポートしたい」と保育士を目指すママは多いようです。それでは、社会人やママが保育士の資格を取得するにはどのような方法があるでしょうか。
学校に通う?試験を受ける?
保育士になるためには、国家資格が必要です。資格を取るには、厚生労働省が指定する保育士養成学校(大学・短大・専門学校等)を卒業するか、保育士試験に合格する必要があります。保育士試験は、学校教育法に基づいた大学・短大・専門学校(2年制以上)程度の最終学歴があれば、受験することが可能です(※詳しくは保育士試験事務センターにてご確認ください)。
保育士養成学校を卒業する場合
保育士養成学校を卒業するという方法は、費用が高額で、長時間拘束されるため、仕事や子育てとの両立は難しい場合が多いですが、なかには夜間課程のある専門学校もあります。卒業すれば必ず保育士資格を取得できるメリットがあるので、時間や費用をかけても確実に取りたいと思う人にはいいかもしれません。
保育士試験を受験する場合
保育士試験は年に2回実施されているため、集中して勉強すれば短期間で取得することが可能です。また、費用もあまりかからず、自分の都合に合わせて勉強することができます。ただし、試験に合格するためにはしっかりと自分で勉強に取り組まなくてはなりません。
●筆記試験について
2日間にわたって、以下8教科9科目がマークシート方式で行われます。
・保育原理
・教育原理/社会的養護
・児童家庭福祉
・社会福祉
・保育の心理学
・子どもの保健
・子どもの食と栄養
・保育実習理論
すべての科目に6割以上得点できると合格となります(「教育原理」と「社会的養護」は2科目で1教科。同時に6割以上の得点が必要で、一方でも6割を満たさない場合、どちらも不合格となります)。全科目、合格するとその後の実技試験に進むことができます。また、1度合格した科目は3年間有効となるため、来年と再来年は試験が免除になります。
●実技試験について
保育実習実技は
・音楽表現に関する技術
幼児に歌って聞かせることを想定して、課題曲の2曲を演奏しながら歌う
<楽器はピアノ、ギター、アコーディオン>
・造形表現に関する技術
試験当日に出題される問題文の一場面を、提示される条件を満たして絵画で表現する
・言語表現に関する技術
3歳児20人のクラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定して、お話をする
以上の3分野のうち2分野を選択して受験します。
まとめ
保育士試験の筆記試験の合格率はだいたい2割程度と低い傾向にありますが、これは一度合格した科目は3年間有効のため2~3年かけて受験する人も多いためだと思われます。しかし、試験は9科目もあり覚えることは多いので、きちんと時間をかけて勉強する必要があります。また、実技試験についても事前の対策が必要です。独学で勉強する場合はテキストを購入するか、費用はかかりますが通信講座を利用する方法もあります。
そして、自主的に勉強して合格する自信がない場合は、専門学校に通うことも考えてみるといいでしょう。
保育士の資格を取得することは社会人やママでもできます。簡単とまでは言えませんが、やる気さえあれば決して難しくないので、自分に合った方法で挑戦してみてはいかがでしょうか。
参考:全国保育士養成協議会「保育士試験を受ける方へ」
https://www.hoyokyo.or.jp/exam/ 他