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「血管診療技師(CVT)」の資格を取って血管疾患のエキスパートに!

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まだまだ認定者数が少ない「血管診療技師」。看護師・准看護師の認定者は全国でたったの43人です。血管疾患診療についての知識や技術を学びたいという看護師さんは、血管疾患のエキスパート「血管診療技師」にチャレンジしてみませんか。

血管診療技師(CVT)ってどんな資格なの?

血管診療技師は、動脈硬化や下肢静脈瘤、エコノミークラス症候群などに代表される血管疾患に対する診療の専門知識と技術を持った専門家で、「日本血管外科学会」「日本脈管学会」「日本静脈学会」「日本動脈硬化学会」4学会で構成する“血管診療技師認定機構”が認定する資格です。
2006年に発足してから、2017年10月の認定試験後の認定者数は1263人になりました。血管診療技師認定者の職種別内訳は、臨床検査技師が83.8%と圧倒的に多く、診療放射線技師が7.1%、臨床工学技士は4.8%、看護師は3.2%、理学療法士は0.9%、准看護師は0.2%となっており、全国で看護師・准看護師の認定者は合わせて43人です。

血管診療技師になるには

血管診療技師になるには、日本において以下の資格と実務経験が必要です。
 
<必要な資格と実務経験>
・臨床検査技師(実務経験3年以上)
・看護師(実務経験3年以上)
・臨床工学技士(実務経験3年以上)
・診療放射線技師(実務経験3年以上)
・准看護師(5年以上)
 
また、血管疾患を専門とする医師のもとで十分な血管疾患診療の経験があること。さらに、年に3〜4回程度開催される認定講習会を受講(座学および実技)する必要があります。
 
<講習会の内容>
①脈管系の発生・解剖・生理
②大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離、大動脈縮窄症、Marfan 症候群、他)
③頸動脈、末梢動脈疾患(慢性動脈閉塞症、血管炎、急性動脈閉塞)、
   及び四肢末梢循環障害(糖尿病足、他)
④静脈疾患(大静脈疾患、下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、肺塞栓症、他)
⑤リンパ管疾患
⑥血管疾患に関する基本的検査(血圧、ABPI、TBPI、PWV、脈波、サーモグラフィー、
   トレッドミル検査、近赤外分光法、経皮酸素分圧、他)及びQOL評価(SF-36、WIQ等)
⑦動脈疾患の超音波検査(頸動脈、大動脈、下肢動脈、他)
⑧静脈疾患の超音波検査(深部静脈、表在静脈、他)
⑨その他の画像診断(動脈造影、静脈造影、MR、CT、他)
⑩フットケア、看護
⑪リハビリテーション
 
これらの条件を満たせば、年に1回秋ごろに行われる認定試験の受験資格が得られます。認定試験の申込みには、申込書などの書類の他、症例リスト(100例)や症例のうち5例についてのレポートなども必要です。
認定試験では、血管疾患の病態全般に関する基礎知識、血管疾患診療に関する専門知識を多肢選択問題(40~50題程度)が出題されます。
 
また、資格の取得後は5年ごとの更新が求められます。構成4学会総会への参加や構成4学会総会での発表や論文掲載講習会への参加などで50単位以上を取得する必要があります。

まとめ

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「血管診療技師」は講習会を受講する時点で、すでに血管診療に関する実務経験や知識が必要なのでハードルの高い資格といえそうです。
しかし、近年は生活習慣病の増加や高齢化により、動脈硬化などの血管疾患は増えており、血管診療技師のニーズはますます高まっています。もっと専門性を高めたい看護師さんは「血管診療技師」にチャレンジして血管疾患のエキスパートを目指してはいかがでしょう。

 

★参考
・血管診療技師認定機構

http://plaza.umin.ac.jp/cvt/