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高齢化社会にともなう歯科衛生士の将来性

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これからの高齢化社会、「歯科衛生士」の仕事の需要が高まっていくことが予想されます。そこには、意外な理由がひそんでいるのです。

歯周病が糖尿病・認知症の引き金に?

近年、高齢化社会が進んでいくなかで、高齢者のさまざまな病気が問題になっています。
なかでも糖尿病は、腎不全、神経障害、血管障害など多くの合併症を引き起こし、患者本人を苦しめるだけでなく、医療費も増加させ家計を圧迫しています。
また、高齢に伴う認知症の患者数は、2025年には700万人を超えるとの推計値が発表されており、これは約10年で1.5倍にも増える計算になります。

多くの高齢者やその家族を苦しめる、そんな病気の原因が、ある意外なことと深い関わりを持つことをご存じですか? それは「歯周病」。
なぜ歯周病が、高齢者の病気と関わってくるのでしょうか。

歯周病が高齢者の病気を引き起こすワケ

歯周病の炎症によって口内で発生した化学物質は、全身の血流をめぐり、血糖値を下げるインスリンを効きにくくさせてしまいます。それによって血糖コントロールがしにくくなり、結果、糖尿病が発症・進行しやすくなることが近年の研究で分かったのです。

また、認知症の原因はもともと、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質の“ゴミ”がたまることで神経細胞が死滅することと考えられています。歯周病菌の毒素は、この脳の“ゴミ”を増やしてしまうことも明らかになってきました。

このように、口の健康と体の健康には密接な関係があることが近年話題になり、口内ケアの必要性が以前にも増して重視されるようになってきたのです。

高齢化社会で注目が集まる「歯科衛生士」

そんな中で、将来性の高い仕事として注目を集めているのが「歯科衛生士」の仕事。

歯科衛生士は、口内の衛生・健康をサポートする国家資格の専門職です。
具体的な仕事としては、虫歯や歯周病を防ぐための予防処置や、歯科診療の補助、歯磨き指導、高齢者や要介護者への訪問ケアなどを行っています。

特に、自分で口内ケアをするのが難しい高齢者や要介護者のために、自宅に出向いて歯の清掃などを行う「訪問歯科」の需要は、これからの高齢化社会でますます増加していくと見られます。

厚労省によると、2014年の時点で訪問歯科を行っている歯科医院1ヶ所あたりの訪問件数は、3年前と比べると病院や施設で3割増加、個人宅で2割増加しており、今後も訪問歯科の需要は増え続けると考えてよいでしょう。

歯科衛生士は将来性が高い仕事!

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しかし現在、歯科衛生士として活躍する人の数は不足しているのが実状。
全国の歯科医院の数はコンビニエンスストアよりも多くなっていると言われますが、そのなかで歯科衛生士の取り合いになっているのが現状のようです。

そこで近年、歯科衛生士の獲得のために、その待遇を改善する歯科医も増えてきています。自治体と組んで、市区町村から委託費を出して運営を補助し、福利厚生などを整備している例もあります。

全身の健康と切っても切れない、歯の健康を守るプロフェッショナル、「歯科衛生士」。
今後の高齢化社会に向けてますます大きな需要が見込まれ、活躍がよりいっそう期待される、将来性の高い職業です。
これから医療関係の道を志す人には、ぜひおすすめの仕事ですよ。

参考
公益社団法人 日本歯科衛生士会
https://www.jdha.or.jp/dh/

NIKKEI STYLE 「歯科衛生士の不足 介護に影 高齢者ケアに重要な役割」https://style.nikkei.com/article/DGXMZO11864010Z10C17A1TZD000?channel=DF130120166127

糖尿病情報センター
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/070/040/01.html#05

認知症ねっと
https://info.ninchisho.net/archives/2666

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