看護師というと女性のイメージが根強いですが、実は年々男性看護師が増えています。そこで、男性看護師だからこそ活躍できる医療施設について詳しく見ていきましょう。
男性看護師は増えている!?
男性看護師の数は年々増えていると言われています。厚生労働省の統計によると、2004年総計31,594人に対し2012年には63,321人、数字で見ると明らかに増加傾向にあり、2014年と比べて2016年では1万人以上増えており、その増加率は女性看護師の約2.6倍でした。また、以前は女性を「看護婦」、男性を「看護士」としていたのを、法改正により2002年より男女ともに「看護師」という名称になったことで、男性看護師の認知度も上がってきました。
男性看護師が重宝される場面は?
男性看護師は、機材運びや寝たきりの患者様の移動など、女性では難しい体力的な力仕事で重宝されているようです。
また、女性看護師に体を拭いてもらったり、手当をしてもらうのに抵抗がある、男性患者からの支持が厚く、特に思春期の男の子の看護に男性看護師が求められています。
やっぱり求められるのは「体力」
超高齢社会の日本では、看護師の仕事にもおむつ交換や褥瘡予防のため数時間ごとの体位交換、ベッドから車椅子やストレッチャーへの移乗など体力仕事が多くあります。さらに最近は、メタボリックシンドロームや生活習慣病の患者も少なくはなく、介護には腕力が必須です。夜勤のある看護師の仕事においても体力は重要なポイント。また将来性として、男性は結婚や出産で辞める可能性が低いため、病院側も患者も安心できるという点もあるようです。
防犯対策にもなる!
泥酔患者、自我の強い患者、そして近年増えているセクハラ紛いなことをする患者、「モンスターペイシェント」への対応は、女性看護師だけでは対応するのが危険なことが多々あり、防犯の意味でも男性看護師が求められています。
男性看護師が重宝される病棟や科目は?
男性看護師が活躍しやすい病棟や科目をチェックしていきましょう。
1:泌尿器科
比較的男性は加齢に伴い、前立腺肥大にかかる人が多く、泌尿器科を受診する男性も多くいます。女性看護師では恥ずかしく、リラックスして治療を受けられない人も多く、同性である男性が重宝されます。
2:整形外科
整形外科では、骨折などにより自力で動けない入院患者も多いので、車椅子での移乗やおむつ交換などで体力重視の現場です。体力や腕力のある男性は必要不可欠な科目です。
3:脳神経外科
整形外科と同じく脳神経外科も脳障害や麻痺によって自力で動くのが困難な人が多く、移動や体位交換などで体力・腕力が必要です。また、夜間に急変する人も比較的多いので、メンタルの強さも重要です。
4:手術室
手術は長時間に及ぶことも多いため、体力があり、長時間に及ぶ手術にも耐えることができる男性が求められます。
5:救命救急系
命にかかわる緊迫した空気の中、多忙を極める現場。長時間に及ぶ緊張状態とそれに耐えることのできる体力、集中力がある男性が求められます。
6:ICU(集中治療室)
その名の通り常に集中し、長時間の緊張に耐える体力が必要な現場。もちろん体力も必要なので男性が歓迎されます。
7:精神科
精神科は心に病を持っている患者がかかるので、患者が暴れた場合にそれを抑えるために体力のある男性が求められます。実際に精神科では他の科に比べると男性の割合は多めです。
男性看護師の実情がわかるホームページをチェック
実際に現場で働く男性看護師の声を集めたサイトが増えているので、そういったホームページをチェックするというのが男性看護師の実情を掴むのには確実な手段かもしれません。
◎名古屋掖済会病院「おーい!俺たちもいるぞ!!野郎の会」
http://nagoya-ekisaikaihosp.jp/kangoshi/nurse/guysguild/
◎宝塚市立病院「男性看護師」
https://www.takarazuka-n.com/male/
<参考>
★厚生労働省「平成28年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/16/
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