子育てをしながら、これまでと同じように夜勤や残業などをこなして働くのは簡単ではありません。産後、どのような働き方をするのが自分や子ども、家族にとってベストなのか早めに考えておきましょう。
どんな働き方があるの?
産休や育休を取得した場合、今まで働いていた職場に復帰するのが前提となりますので、今までと同じようにフルタイムで働くか、またはペースダウンして働くか、病院と話し合うことになります。また、一旦退職してから転職する場合は、子育てしやすい環境の職場を選ぶことができます。
□今まで通りフルタイムで働く
□短時間勤務や夜勤免除で働く
□パートなどに切り替えて働く
□一度退職して転職する
今まで通りフルタイムで働く
第一線で働きたい、キャリアを積みたいという気持ちが強い場合や、経済面を考えた場合、今まで通りフルタイムで働くメリットは大きいです。夫や両親などが協力してくれる環境であったり、24時間体制の院内保育所を利用するなどサポート体制が十分に整っていれば、夜勤や残業をこなしながら働くことも可能です。それでも夜勤がある場合などは、どうしても子どもや家族に負担はかかるものなので覚悟が必要です。
短時間勤務や夜勤免除で働く
短時間勤務や夜勤免除で働く場合、フルタイムに比べると給与は下がりますが、正職員のときと同じ待遇のまま(社会保険の適用、昇進昇格、退職金、福利厚生など)、仕事の負担が減るというメリットがあります。
ちなみに、育児・介護休業法には3歳未満の子どもを育てている人は自ら申し出ることにより
□時間外勤務を免除してもらうことができる
□夜勤を免除してもらうことができる
□原則1日6時間とする短時間労働ができる
という内容が定められています。また、法で定められたもの以外に、病院独自の判断で設けてあることもありますので、就業規定を確認しておきましょう。
法律や就業規定などで定められていても、実際に残業や夜勤の免除や短時間労働について申し出にくいこともあるでしょう。なかには、短時間勤務にしたものの時間通りに帰れないといった声や、夜勤を免除してもらったものの他の看護師に負担がかかり、気まずい思いをするといった声もよく聞きます。
職場復帰したときに、気持ちよく働けるように病院とよく話し合うことが大切です。
パートに切り替えて働く
パートなどに切り替えて働く場合、働く時間や日数など融通がきくというメリットがあるので、子どもとの時間を大切にしたいという人にとっては理想的な働き方です。しかし、勤務日数により社会保険に加入ができなかったり、ボーナスや退職金がない場合がほとんどです。
また、第一線で活躍していた人にとっては肩身の狭い思いをする人もいて、やりがいを感じられなくなってしまったという声もよく聞きます。
一度退職して転職する
職場の環境によっては、子育てとの両立は難しいと退職を考える看護師ママも少なくありません。経済的にゆとりがあれば、一度退職して子どもが小さいうちは子育てに専念し、手がかからなくなってきたら日勤のみの職場で働くという方法もあります。ただ、日々進歩する医療の現場では1〜2年のブランクでも大変だと感じる人が多いようです。復職支援セミナーの受講やパートやアルバイトなどから再出発し、比較的ゆっくりしたペースで働くといいでしょう。
自分にあった働き方を素直に見つめる
看護師の仕事はやりがいがある反面、精神的にも体力的にも負担が大きいものです。「仕事もバリバリこなしたいし、子どもとの時間も大切にしたい」というのが理想かもしれませんが、実際に両立させるのは大変です。両方を手に入れるのではなく、「子育ては夫や祖父母にある程度まかせて、自分は仕事を優先する」あるいは、「第一線で働けなくてもいいから、子どもが小さいうちは子育てを優先する」というふうに、優先順位を決め、割り切っておくとストレスが少なくてすみます。
また、この機会に、職場の環境や家族・子どもに合わせた働き方だけではなく、自分の理想とする働き方はどのようなものか、見つめ直すのもいいでしょう。