仕事をしながらの子育ては時間との戦いです。1分1秒も無駄にするまいとがんばっている看護師ママは多いのではないでしょうか。そんななか、「早くしなさい!」「ダメ!」「どうしてできないの!?」といった言葉が口癖のようになっていませんか。このようなネガティブな言葉は、繰り返し使っていると子どもに悪影響を及ぼすことがあるので気をつけましょう。
「早く!」
朝、出かけるときなどはとくに「早く片付けて!」「早く準備して!」など「早く」という言葉を何度も使ってしまいがちです。
しかし、時間に対する感覚は大人と子どもとではだいぶ違います。「早く早く」といっても子どもには伝わりにくいので、「8時になったら出かけるから、あと5分したらお着替えしようね」など具体的に、少し早めに伝えるようにしましょう。また、「早くしないとママがお仕事に遅れちゃうよ。ママがお仕事に遅れると……」など、急ぐ理由をきちんと説明してあげると、小さい子どもでも子どもなりにわかってくれるものです。
そして、看護師ママは忙しいものですが、朝は早めに起床するなどまずは大人が時間に余裕を持って行動できるように心がけることが大切ですね。
「○○しなさい!」
急いでいると「片付けなさい!」など、命令口調で注意してしまうことがあります。しかし、子どもは命令されると逆に反抗したくなってしまいます。「片付けてくれると嬉しいな」とお願いする言い方のほうが、子どもは素直に聞きやすいものです。「お部屋がきれいだと気持ちがいいからね」など、どうしてそうするのか理由を伝えることも大切です。また、「あれ?○○はどこにしまうんだっけ?」と子どもが主体的に行動できるような言葉がけをするといいでしょう。「一人で片付ける?それとも、お母さんと一緒に片付ける?」など選択肢を与えて選ばせるのも効果的です。
「どうしてできないの!?」
繰り返し教えてもできないとき、ついイライラして「どうしてできないの!?」と言ってしまうことがあります。しかし、このような言い方をすると子どもはやる気をなくしてしまうだけでなく、自分が否定されたような気持ちになって自信をなくしてしまいます。責めたり問いつめたりするのではなく、「どうしたらできるかな」と子どもと一緒に考えて、解決策を探ってみるのがいいでしょう。また、子どもが小さいうちはとくに「この子はどうしてできないのかな?」と大人がまず考えてみることも大切です。ごはんをよく食べこぼすのであれば、イスの高さは合っているか、食器が使いにくくないか確かめてみたり、出かける準備に時間がかかるのであれば、バッグや上着を置く場所を変えてみるなど、子どもがうまくできるような工夫をするとすんなり解決することがあります。
「ダメ!」
忙しい看護婦ママの中には、「服が汚れる」「部屋が散らかる」「時間がかかる」など大人側の理由で子どもがやりたがることに「ダメ」ということが増えてしまうという人も多いようです。しかし、あまりに禁止していると子どもの自主性や自立心が育ちません。壁に絵を描きたいというなら、「壁に大きな紙を貼って描こうか」と提案してみたり、お部屋が散らかる遊びをしたいというなら、「終わったらキレイにお片づけしようね」と約束させて遊ぶなど、できるだけ「いいよ」と言ってあげられるように考えてみましょう。
とはいえ、危険なことや人に迷惑がかかることはきちんと「ダメ」と教えることも大切ですね。
子どもは「できなくて当たり前」
子どもに言ってしまうこれらのNGワードの裏側には、「これくらいわかるだろう」「できて当たり前」という親の期待や先入観があります。しかし、子どもは「できなくて当たり前」。失敗を何度も繰り返しながら、少しずつ成長していくものです。できなかったことを責めるよりも、「今日は昨日より早く準備ができたね!」と、少しだけでもできたときに褒めるようにしていくと、だんだんとできるようになっていきます。