歯科医師にとって、歯科衛生士とはどのような存在なのでしょうか。歯科医師が歯科衛生士を必要とする理由について考えてみたいと思います。
歯科衛生士の仕事内容とは?
歯科衛生士について簡単におさらいをしましょう。
歯科衛生士の仕事内容は主に3つがあげられます。
1つめは、虫歯や歯周病などを防ぐために歯垢や歯石を除去すること、フッ素を塗布することなどの「予防処置」です。
2つめは、歯や口腔内の健康を維持・増進するために歯磨きの仕方を指導する「歯科保健指導」。3つめは、歯科医師に器具を手渡したりします。
それ以外では、バキュームを行うなどの歯科医師のアシスト業務を行う「診療補助」です。
歯科助手との違いは?
歯科衛生士は、よく歯科助手と比較されます。
両者とも一般には、歯科医師のアシスタント業務のように思われることも多いようですが、実はまったく異なります。
まず、歯科衛生士は国家資格です。上記のような3つの歯科医療業務を行うことができますが、歯科助手は歯科医療業務を行うことができません。
受付や事務、片付け、掃除などが主な業務となります。
歯科衛生士になるには専門学校で3年間、大学では4年間専門教育を受けた後、国家資格に合格する必要があります。
歯科医療について体系立てて学んでおり、プロとしての自覚、責任感が強い傾向にあります。
歯科医師と同じ目線で話すことでき、質の高い歯科医療を提供するためになくてはならない存在といえそうです。
歯科衛生士が必要とされる背景は?
歯医者に通う患者さんの不満で多いのが「待ち時間の長さ」です。
患者さんを待たせることなく、スムーズに効率よく診療を行っていくためには、歯科医師の診療を補助する歯科衛生士の存在が不可欠です。
また、現在は予防歯科が主流になってきており、3ヶ月〜半年間隔で歯のクリーニングをすすめる歯科医師が増えています。
歯のクリーニングについては、歯科医師も行うことができますが、歯科衛生士は歯科医師よりも長時間トレーニングを受けているため、より高い技術を提供できる場合が多いでしょう。
歯科衛生士が不足している?
平成28年度に行ったある調査では、1歯科診療所あたり、歯科衛生士の数は全国平均1.47人。全国で45,000 人程度、歯科衛生士が不足しているというデータがあります。円滑な診療を行っていくためには、どのように歯科衛生士を確保していくのかということも大きな課題となりそうです。
<参考>
★歯科診療所における歯科衛生士不足の現状に関する研究
https://www.niph.go.jp/soshiki/koku/oralhealth/dhdt/dhdt/report_part7.pdf
キーワード:歯科、歯科医師、歯科衛生士、予防処置、保健指導、診療補助、歯科助手、国家資格、予防歯科、クリーニング、衛生士不足